執事と共に賭け事を。
ツバキの目が据わった。

恵理夜に対する容赦が無くなったのだ。

立て続けに放たれる2投。

一つは、恵理夜の長い髪に刺さり、もう一つは恵理夜の腕に当たったが、革の手錠がそれを弾いた。

ツバキの得点は、入らない。

春樹が、悠然と構える。

恵理夜は、春樹の呼吸も読んでいた。

そして、一つ頷いた。

恵理夜は、ダーツに関しては全くの初心者だが、春樹のしようとしていることをその呼吸から読み取ることは容易かった。

恵理夜は春樹を信じ、春樹も恵理夜を信じていた。
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