執事と共に賭け事を。
「指輪を、返してください」

「それは、勝負への布告と捕えていいのかな」

「それで、返していただけるなら」

「もちろん、ルールに従って挑まれた勝負なら正々堂々と受けよう。君が勝ったらこの指輪を返す」


絶対的余裕を孕んだ、挑戦的な瞳。


「僕が勝ったら、君の自由を貰おう」


一瞬の怯み。

けれど恵理夜は引かなかった。


「……ゲームは、先ほどと同じでいいかな」

「はい」

「じゃ、僕のテーブルへ」


ヒガキに導かれるまま、恵理夜はテーブルへとついた。
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