執事と共に賭け事を。
「8」

「ダウト」


恵理夜は、通る声でそう宣言《コール》した。

ヒガキが、ゆっくりとカードをめくる。


「残念だね」


ダイヤの8。

やはり、恵理夜の勘は外れた。

場に出された14枚のカードが全て恵理夜の手札になる。

場に出されたカードが手札になることで、相手がどんなカードを出していたかが良くわかる。

それは、てんでバラバラだった。

恵理夜は、持ちうる限りの対応したカードを出していた。

しかし、ヒガキは全くランダムに出していた。

一枚目から、既に違うカードを出していた。

恵理夜は、それに気付かなかったのだ。
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