執事と共に賭け事を。
しかし、


「ええ、私を目覚めさせるものが、入っていました」


恵理夜は、お嬢様らしい優雅な笑みを浮かべた。

それは、感覚を操作され疲弊する少女の表情ではなかった。


「先ほど、ヒガキさんは言いましたね。知識・力・運全てを持っていると」

「そうだね」

「知識は、春樹が持っています。運は、きっと私が持っているでしょう。力は、お互いに支えあうことで倍になることでしょう」


場に出すカードは2セット目になった。


「私達は、強いですよ」


相手の手札は残り7枚。

コールを仕掛けなければ、恵理夜の負けが訪れようとしていた。
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