執事と共に賭け事を。
「わしの邪魔を、するんだな」


邪魔者として、自分が排除されるような恐怖が重ねて襲ってくる。

それでも、恵理夜は引かなかった。


「……家にとって、これが間違っているのはわかっています。けれど、私の目に見える世界くらいは、これ以上悲しいことを増やしたく、ないんです」


水に濡れた体が急速に冷えていくのを感じた。

祖父は、恵理夜に背を向けた。


「お祖父様……」


恵理夜は、自分が否定され見放された絶望感を感じた。
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