執事と共に賭け事を。
恵理夜の目が見開かれる。


「安心して。今は別れているから」


と、からかうように言った。

嘘はついていない――恵理夜の勘がはっきりと告げる。


「貴女は、彼のことを好いているのかしら。男として」

「え……」


ぶしつけな質問に、恵理夜の目が泳ぐ。


「もし、そうなら相談に乗るわよ。女としてね」
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