執事と共に賭け事を。
「それは、とても悲しい力かもしれないね」

「悲しい力、」

「ご両親を失って得た力だ。失って、得た力」

「失って、得た力……」

「僕と、同じだね」


と、ヒガキは悲しげな目で言った。


「貴方の、強運も、同じですか」


ヒガキは、目を見開いた。


「……鋭いね。その通りだよ」


悲しみと、怒りが、その瞳から漏れているように見えた。
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