執事と共に賭け事を。

「どうやったら、その勘を手に入れられるのか教えて欲しいよ」


――それは、両親を失ってから手に入れたものだ。


恵理夜にとって、あまり誇らしいものではない。


「あまり、話したくないことだったかな」


ヒガキが申し訳無さそうに言う。


「いえ。多分、両親が居なくなってから、ですね」

「ご両親も、勘が鋭かったとか」

「むしろ、嘘をつかない人たちでした。だから、両親と違う挙動をする人たちが、嘘をついているんだと、気づくようになりました」


ヒガキは、労わるような目で恵理夜を見ていた。