執事と共に賭け事を。
「巻き込んじまうようで気が引けるんだがなぁ」


と、その手紙を差し出した。


「招待状、ですか?」


そこには、大きな船の写真と特別な招待である旨が書かれている。


「実はな、ワシらが出資した客船のパーティーが開かれるんだ」

「でも、パーティーに私みたいな子供が行くよりも叔父様なんかが行くべきでは?」

「すまないね、恵理夜」


恵理夜の肩に手が置かれる。

恵理夜の叔父――シラヤナギだ。


聡明な顔をした、壮年の男である。

とても極道の人間には思えないが、実質、組長《カシラ》である祖父の右腕でもある男だった。


その男が、恵理夜に心底困った顔を見せている。
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