執事と共に賭け事を。
「さて、そこを化粧室にしようか」


奥まった一室の扉を開く。

大きなソファと、42インチのモニターがあるだけの一室。

足の長い絨毯は靴ごと恵理夜の足を包もうとしているようだった。

そこへ、何着ものドレスが運び込まれた。


「君には、どの色が似合うかな」


そのどれもが、大きく胸元が開いていたり、スリットが深く入っているものだった。


「大人っぽすぎるものばかりじゃ……」

「そんなことは無い。夜は女性が主役だよ」


と、ヒガキは次々にドレスを合わせ始めた。


「緑……は少し違うかな。ピンク、じゃ君には子供っぽすぎるし。紫じゃ、逆に大人っぽ過ぎるよね」


と、とっかえひっかえドレスを変えていく。
< 99 / 254 >

この作品をシェア

pagetop