執事と共に賭け事を。
「ここだよ」


カジノデッキに用意されたVIPルームだった。

恵理夜ですら一度も入る機会の無い部屋。


「VIPルームなんて名ばかりだよ」


緊張気味の恵理夜の手を引いて、彼は扉の中へと導いた。


「要は、ただの監視室さ」


確かに、中にはまず、巨大なモニターがあり、いくつもの監視カメラの映像が映し出されていた。


「基本的に、クリーンなカジノを謳っているからね。イカサマや、不審者を炙り出すためのものだよ」


上のカジノと、ここのカジノの2つが上下で映し出されている。

光と影、まさにそんな映像だった。

ヒガキはするりとモニターの前を通り過ぎた。
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