ナイショなダーリン-R&M-
──────……

やけくそだったのかもしれない。和兄ちゃんに裏切られた気がして。


あたしはミコトさんに、和兄ちゃんはいなかったと嘘をついた。

もちろん心配してくれたけれど、部屋までカレーを持っていきお礼を述べた。


和兄ちゃんよりも優しいじゃんか……

グスッ
溢れそうな涙をこらえて、王様みたいなアイツの所へお鍋を抱えて行くことにした。

なんでこうなるの……


ポーン


「きゃ……」


危うくお鍋がひっくり返るところだった。
開いたエレベーターの前には、スーツを着た黒人が立っていた。
胸にはSPというバッジ。


「あの……」


「……」


完全無視っすか?

あっそ。
いいわよ、好きで来たんじゃないってーの。

くるり、向きを変えて帰ろうとしたとき。
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