恋色語
ジリリリリリ!!


「…うるさい」


枕元の目覚まし時計を止める。不思議な夢…もう何回目だろう?

あの人に手を触れようとすると、いつも夢は終わってしまうんだよなぁ。


「6時。野郎共の朝飯作らなくちゃ…」



私は眠気眼をさすりながら2階の自室から1階キッチンへと向かった。




………


「おはよう渚」

「おは」


6時20分になるとお父さんが起きてきた。朝食は作り終えてテーブルに並べてある。

あとはご自由にどうぞ。私はする事があるから。


「ちょいお兄ちゃん起こしてくる」


再び2階へ。お父さんと同じで今年から社会人のくせに…しかも家出る時間同じなくせに…。


「案の定これかい…」


ドアを開いてみると想像通り。ベッドでまだ寝てやがる。

側まで行って軽く見下ろす。


「起きろ、飯できた。…ちっ、反応なしか。

コホン。べっ別にあんたのために作ったんじゃないんだから!」

「じゃあ誰のために二人分作ったんだよ」
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