やさしい手のひら・前編【完結】
1時間ぐらい私は寝てしまったようで、起きてみると私の体の上に制服が掛けてあった

匂いで凌のだとわかってしまった。私はまだ凌の匂いを覚えていた・・・

「凌これありがとう」

私は体から取り、制服を凌に返した

「あー」

一言だけ言って制服を受け取った。そしてすぐまた窓の方を見てしまった

「亜美、トイレ付き合って」

由里に言われて私は凌の前に立ち、トイレに行った

「亜美・・・本郷見てるの辛いんだけど」

「あっ、うん」

「亜美が寝たらすぐに制服脱いで、愛しそうに亜美に掛けてさ」

「・・・うん」

この間の放課後のことを由里に教えていたので、由里は凌の気持ちを知っている

「私はどうにもできない」

「うん、わかってる。それでも本郷は知っててやってることだからそれはそれでいいんだけど。片思いじゃん。辛いっしょ」

「辛いよね・・・」

「どうにかなる時はなるね。私は亜美の見方だよ」

由里は私に微笑み、頭をポンポンと叩いた

「由里先行ってて」

「うん」

私は窓の外を眺めていた。健太に会いたい。さっき別れたばかりだけど、健太がいないと私は弱くなってしまう。強くなりたい・・・

泣いちゃいけないのに涙がポロポロと落ちてくる。自分の手で涙を拭き、口を閉じ上を向き堪えた
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