やさしい手のひら・前編【完結】
「私は健太と別れて、凌とも付き合わないって、凌に言ったの。そしたら怒って・・・」

「そりゃ、亜美の逃げだね」

「凌にもそう言われた」

「亜美が決めたならそうしなよ。私は何も言わないよ」

「うん・・」

その方がいい。私のせいで2人が苦しむのはもう嫌。自分でちゃんと決めなくてはいけない


次の日、私達は函館を出発し、バスで札幌へ向った

私の後ろの席には凌が座っている

「亜美、ちゃんとしゃべりな」

そう言って、由里は後ろにいる凌に『席変わって』と言って、私の隣に凌が来てしまった

「昨日・・・ごめんね」

私は凌の目を見れず、下を向いたまま凌に謝った

「俺も無理やりだった・・ごめん」

たぶん私にキスをしたことを言っているのだと思う

「私」

「俺」

同時に2人で喋ってしまい、声が重なってしまった

「俺さ・・・亜美の気持ち考えないで俺だけの気持ちばっかぶつけてるよな・・・。亜美が川崎さんといて幸せなら、亜美の幸せを見守ることできるのに、俺はそんなことでさえ考えられなくて・・・」

「凌・・・」

「亜美の幸せを見てるなんて、やっぱりそんなこと俺には無理。川崎さんから奪ってやることしか考えられない」

そう言って凌は私を見つめる。私はどう答えていいのか悩んだけど、はっきりしないといけない、と思い口を開いた

「私ね、凌とも健太とも付き合わない。これ以上2人を苦しめられない」

やっぱり凌の目を見れないでいた

「亜美が好きなのは俺?川崎さん?その答えで決まるんじゃねぇ?」

どっちと聞かれてしまった。私はどっちというのが決められない

「わからない。だから2人とも付き合えない」

「じゃあ、俺にすれ」

「えっ?」

「川崎さんは多分卒業したらここにはいない」


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