悲しいライオン
そんな雄ライオンを見て、子供達は呟きます。
「パパは、僕たちに何にもしてくれないんだ・・・。狩りの仕方だって、教えてくれやしない。
いつもいつも、寝てばっかりだ・・・。」
雌ライオンは、見かねて雄ライオンに言いました。
「ねぇ、あなた、少しは子供達と遊んでください。
あなたは、いつも外へ出かけて行ってしまって、子供達はとても寂しがっているの。」
それを聞いた雄ライオンは怒ります。
「誰の為に、こうして毎日狩りをしていると思ってるんだ!
お前たちがそうして、美しい毛並みでいられるのは、誰のお蔭だと思っている!!」
「確かに、私達は人並み以上の暮らしをしているわ。
でも子供達は、父親としてのあなたも必要なの。」