悲しいライオン

(妻と子供達を、サバンナで一番の場所に住まわせ、最高の食事を与えるのだ。)

妻子に最高の暮らしをさせる事・・・。
いつしか、それは雄ライオンの生きがいになっていました。


雄ライオンは、毎朝日の出の前に出かけ、夜遅くまで狩りに明け暮れました。

帰ってくるのは、二匹の子供がとうに寝た後。



その頃からでした。

雌ライオンの心の中には、小さな風穴が開き始めていたのです。
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