悲しいライオン
Ⅲ.
「僕と一緒に来てくれないか?」
雌ライオンは、雄ライオンの申し出に断る理由などありませんでした。
彼女は、喜んで群れを離れました。
二匹は、小さな棲家を持ち、新しい生活を始めました。
雄ライオンは、雌ライオンの為に、毎日毎日沢山の狩りをし、戦いながら、その縄張りを増やしていきました。
雌ライオンは、雄ライオンの愛情をいっぱいに受けて、それに応えるようにその輝きを増していきます。
美しい二匹の姿は、サバンナに輝く二つの宝石のように見えました。
そして、二匹のライオンの間には、可愛い二匹の子供が生まれました。
雄ライオンは、ますます狩りに励みました。