悲しいライオン
Ⅲ.

「僕と一緒に来てくれないか?」

雌ライオンは、雄ライオンの申し出に断る理由などありませんでした。

彼女は、喜んで群れを離れました。

二匹は、小さな棲家を持ち、新しい生活を始めました。

雄ライオンは、雌ライオンの為に、毎日毎日沢山の狩りをし、戦いながら、その縄張りを増やしていきました。

雌ライオンは、雄ライオンの愛情をいっぱいに受けて、それに応えるようにその輝きを増していきます。

美しい二匹の姿は、サバンナに輝く二つの宝石のように見えました。

そして、二匹のライオンの間には、可愛い二匹の子供が生まれました。

雄ライオンは、ますます狩りに励みました。

< 6 / 35 >

この作品をシェア

pagetop