極悪彼氏
結局カケルは何も教えてくれなかった。



2時間後、ゲンさんからかかってきた電話は病院から。



今日は学校に戻らないとだけ言われた。



コタローは大丈夫なの?



心配すぎて学校を抜け出し、コタローの家にやってきた。



やっぱりゲンさんは一緒で、家の中にはゲンさんに入れてもらった。



「コタローは?」

「肋骨折れただけだからそんなに心配すんな」



折れただけって…。



大層なケガじゃないですか…。



そのコタローは寝ると言ってベッドの上らしい。



「お前がいてくれんなら俺帰るぞ」

「でも看病なんかあたし何もできないよ!?」

「お前コタのだろ?」

「でもっ!!彼女って言ってくれないもん…」

「はははっ!!それでもそばにいるムーに安心してんじゃねぇの?押せ、押しが肝心だ」



押すの…?



どうやって!?



そんなやり方教えてくれなかったゲンさんは笑いながら帰ってしまった。



寝てるかもしれないので、ベッドルームを静かに覗いた。



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