極悪彼氏
ベッドに仰向けに寝てるコタローからは荒い呼吸。



痛いんだ…。



「誰?」

「あたしっ…」

「ん…」

「眠れないの?」

「別に」

「なんかして欲しいことある?」

「もっとこっち」



コタローのそばに寄ると、少し顔が赤い。



今にも寝そうなのに…。



「今日は動く気ねぇからな」

「動かなくていいよ」

「何で来たんだよ」

「コタローが弱ってたら彼女にしてくれるかな~なんて下心」

「笑わせんな。笑えねぇ…」

「痛い?」

「さすがに折れたらいてぇな。タバコ吸いてぇのに起き上がりたくねぇ」



相当だね…。



痛そうな顔はしないのに、きっとすごく痛いんだろうな…。



「久しぶりに殴られた…。それをお前に見られてたのがやたらムカつく」

「口数が多いのは恥ずかしいからですか?」

「襲うぞコラ」

「できるもんならやってみな」

「マジでムカつく…」



手を出したコタローの手を握ると、安心したように目を閉じた。



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