極悪彼氏
渚さんが…来る…?



急にあがった心拍数。



ヤバい、迷う…。



「渚はコタローに会いたがってた」

「でもっ…」

「大丈夫だろ。お前はちゃんと想羽に会えた。そういやもうすぐ命日だな…」



だけど…。



戸惑う俺を余所にキッチンに立った夢羽の母ちゃん。



「コタロー」

「へっ?」

「渚はあんたを心配してる。そろそろ安心させてやれよ」



俺は…渚さんに会う…。



すでにいろんなことを思い出して泣きそうだ。



大丈夫なんだろうか…。



気を使ったのか、母ちゃんはなにも言わずにいてくれた。



「想羽さんの部屋行っていい?」

「場所わかるよな?」

「うん…」



元想羽さんの部屋に入ったのは2度目。



ここに来るとなんだか不思議と想羽さんが見守ってくれてるような気がする。



想羽さんが過ごした部屋…。



しばらく動かずにそこにいた。



むしろ動きたくなかった。



すると、静かにドアが開き、心の準備もできぬままの再会。



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