極悪彼氏
甘い。



味も言葉も甘い。



「フォークとかねぇのかよ」

「ごめん、そこまで頭回んない女で」



指ですくったクリームを食った。



その様子を赤面しながら見てる夢羽。



意味わかんねぇ…。



「どうしよ~…、コタローがセクシーすぎてよだれ出ちゃう。おまけにあたしもた・べ・て?」

「アテレコしないでツキさんっ!!言ってない!!」

「そんな顔してたじゃん!!」

「してたかもしれないけどっ…」



言われなくても食うっつーの。



またすくったクリームを夢羽のうるさい口に突っ込んだ。



「心配すんな、期待は裏切らねぇ」

「ツキさんのバカ~…。でも思いの外うまい…」

「うめぇな。甘くて酔いそうだ」



とにかくヒヨコは真っ赤。



酒が並び、みんなからのプレゼントだと言ってマグロが山盛り。



「ジュースないの?」

「ねぇよ」

「飲めない人は!?」

「自分で買ってくる」

「じゃああたし買ってくる…」



一緒に外の自販機で夢羽のジュースを買った。



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