極悪彼氏
自分でもわかるほどに酔ってる。



こんなに酔ったのは初めてだ…。



「じゃあね琥太郎~!!」

「じゃあな、コタ」



さりげなくタイキが俺を『小田切』ではなく『コタ』と呼んだことにも気が付かないくらい酔ってる。



走り去る車を見届けてからマンションへ。



「京太郎さんいるの?」

「今日はいねぇ。なんか朝に泣きそうな顔してたけど」

「どうして?」

「俺の誕生日に一緒に祝えないって」

「今更子煩悩!!京太郎さんらしいけど」

「それより夢羽ちゃん」

「夢羽…ちゃん?」

「今夜は寝かせねぇよ~?」

「なんか今日おかしいです、琥太郎先輩」

「先輩後輩プレイ?いいな、燃える」

「もしかして何言っても無駄かしら?逃げようかな?」



ひきつった顔の夢羽を部屋に入れ、とりあえずシャワー。



夜はこれからだ。



「頭洗え~」

「はいはい…」

「にゃはははっ!!」

「コタローに何かとりついてるの!?おかしいよっ!!」



楽しいんだ。



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