極悪彼氏
あんまり騒いだりしない想太郎。



友達といても、なんかひと味違う。



ひとりだけ落ち着いてるっていうか…。



ケンカしたりもしないみたいだ。



そんな想太郎が端っこに座っていた。



「お世話様でした~」

「想ちゃん、ママお迎えだよ」

「どうかしたんですか?」

「お父さんのことで…」

「はい…?」

「子供たちが父親の話をしてて、僕のパパはテレビに出る人って、想ちゃんが言ったんです。他の子たちにウソつきって言われちゃって…」



そっか…。



そうだね…。



想太郎からしてみれば普通の感覚なんだろう。



今まで想ちゃんはママしかいないって周りの子たちも思ってたし…。



「実は結婚したんです、想の父親と」

「そうだったんですか!?」

「いろいろ訳ありで世間にはまだ言ってないんですが…」

「どういう意味ですか…?」

「想太郎の父親は小田切 琥太郎です」

「えっ…?ウソ…ですよね?」

「あははっ…」

「あっ、本当なんですか!?あたし超…ファンなんですけど…なんかすみません!!動揺しちゃって…」



先生、黙っててごめんなさい。



< 443 / 480 >

この作品をシェア

pagetop