SilverBeast
「じゃあ、いくぜ……」


 無言を承諾と受け取ったのか、ギンは唯を抱きしめた。


 唯は、それでも良いと思った。


 そうやって抱きしめられて、ギンが好きだと気づく。



 内側からじわじわと温かいものがあふれ出てきて……もうどうでも良くなってくる。



(ああっ……ギン……好き……)

 心から思った。



 西條のことも、ギンのことも好きだ。

 どちらも異性として好きだ。



 ただ、どこかが違う。



 違うというのは分かるのに、ソレが何なのかが分からない。


 ただ今は、二つの『好き』を胸に秘めたまま、ギンを受け入れた……。
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