閃火高遠乱舞
トウヤは一瞬驚いたような表情をしたが、すぐに何かを企むような悪戯な笑みを浮かべた。小声で「アイツら…わざとだな?」と呟いて。再び宝王子たちの方を向いた時には、爽やかに笑ってみせていた。
「文官の頂点(トップ)、宰相大臣ヴィクター家現当主はな……アイツだよ」
一同は素直にくるりと振り返った。
――刹那。
「え―!?」
「うっそ、マジで…!?」
絶叫が轟いた。
宝王子が茫然とつぶやく。
「ラブラ…ドール、さん……?」
トウヤが声を弾ませつつ笑う。可笑しくてたまらない、といったように目に涙まで浮かべる始末だ。肩が震え、腹を抱える。
「ハハ…ッ、そうだよ。アイツのフルネームはラブラドール・ヴィクターだ……!!」
そう。ミカエルの側近であり、トウヤの親友であるラブラドールこそが文官の頂点に立つ宰相大臣ヴィクター家の若き当主なのである。
ポカーンとする宝王子たちに、さらにトウヤは腹を抱える。
「ちょっと考えりゃ分かるだろ!一般人が女王(ミカエル)に近づけるかよ…!!」
むしろ、女王の従兄に当たるトウヤにすら御近付きになれないはずだ。つまり、そんな圧力をものともしないほど、ラブラドールの階級は高いということに他ならない。
つまり、今回クラウディオが派遣されることになったのは、四大公爵で自由に動ける人物がクラウディオだけだったからなのだ。
「でもって!新川のヤツはどこ行った?」
「…えっ?」
「あ!いない!!」
「アソコでフラフラしてるぜ」
一斉に見れば、新川がトロトロとどこかに向かっているのが見える。先回りして視線を向ければ、一人の女性に行き当たった。
美しい女性だ。角で目立たぬように佇んでいるのだが、目を引く淡いブロンドといい涼やかに澄んだ瞳といい、気品ある雰囲気を醸し出している。細い身体を包むのはシンプルなドレスだ。
彼女に目を向けて、トウヤが「おっ」と小さく声を漏らした。
「文官の頂点(トップ)、宰相大臣ヴィクター家現当主はな……アイツだよ」
一同は素直にくるりと振り返った。
――刹那。
「え―!?」
「うっそ、マジで…!?」
絶叫が轟いた。
宝王子が茫然とつぶやく。
「ラブラ…ドール、さん……?」
トウヤが声を弾ませつつ笑う。可笑しくてたまらない、といったように目に涙まで浮かべる始末だ。肩が震え、腹を抱える。
「ハハ…ッ、そうだよ。アイツのフルネームはラブラドール・ヴィクターだ……!!」
そう。ミカエルの側近であり、トウヤの親友であるラブラドールこそが文官の頂点に立つ宰相大臣ヴィクター家の若き当主なのである。
ポカーンとする宝王子たちに、さらにトウヤは腹を抱える。
「ちょっと考えりゃ分かるだろ!一般人が女王(ミカエル)に近づけるかよ…!!」
むしろ、女王の従兄に当たるトウヤにすら御近付きになれないはずだ。つまり、そんな圧力をものともしないほど、ラブラドールの階級は高いということに他ならない。
つまり、今回クラウディオが派遣されることになったのは、四大公爵で自由に動ける人物がクラウディオだけだったからなのだ。
「でもって!新川のヤツはどこ行った?」
「…えっ?」
「あ!いない!!」
「アソコでフラフラしてるぜ」
一斉に見れば、新川がトロトロとどこかに向かっているのが見える。先回りして視線を向ければ、一人の女性に行き当たった。
美しい女性だ。角で目立たぬように佇んでいるのだが、目を引く淡いブロンドといい涼やかに澄んだ瞳といい、気品ある雰囲気を醸し出している。細い身体を包むのはシンプルなドレスだ。
彼女に目を向けて、トウヤが「おっ」と小さく声を漏らした。