ブラッククロス
耳元に囁いた声はゆっくりと落ち着いている。
体が離れるとため息をつく。
「バンドーの仕業だな。心配性にも困ったものだよ。」
いつもと違うそれに調子が狂う。
「氷双のグラス…。」
喉がゴクリと音を立てた。
「私に…。俺に構うな。」
「…。」
「縛られるのは嫌いでね。」
ふっと笑う…。
「生憎命令には忠実なものですから。」
氷の双剣を出現させ構える。
「君とバンドーだけだよ…。この剣に手合わせしたのは。」
風が鳴り、大きく長い美しい彫りに柄にはエメラルドのよいな石が嵌め込まれている。
風の音を合図に加速する。
優雅に踊るようにそれは戦う。
人には見えない。
ただ光が揺れるようにみえるほどだろう。
間合いを取り距離を置いた瞬間。グラスの髪がはらりと落ちる。
長い美しい剣が降り下ろされる度に強力な疾風の刃が襲いかかる。
紙一重で避けていく。
踊るように流れるように。
剣舞のように…。
キラキラ輝いていた。
ならば、接近戦しかない。
懐に入り込み首元を狙う。
風も霧も晴れる…。
翡翠の瞳は見下ろす。
「気はすんだ?」
「やる気がなかったでしょう?」
「クスクス…。ばれたか。」
「いったい何が…。」
目の前に翡翠の瞳があった。手の甲に口づける。
「なっ?!」
ぐいっと抱きしめられ、浮遊する。
「ちょっと付き合って…。」
そのまま、風に乗る。
「…。」
「すねたの?」
「あり得ません!」
「美しい顔が台無しだよ。」
「それよりも…。後ろのあれはどちら様…。」
クルクルパーマの頭をかきながら
「うーん…。殺し屋?みたいな?」
みたいな?!どう見ても殺気むき出しで狙ってるのだからそうでしょう!
「暗部の者ではありませんね。」
「どうせ王族の誰かの差し金…。」
「王族?」
王族の所有物に手を出した?
「貴方殺されるわよ。」
「それは勘弁してほしいな…。」
体が離れるとため息をつく。
「バンドーの仕業だな。心配性にも困ったものだよ。」
いつもと違うそれに調子が狂う。
「氷双のグラス…。」
喉がゴクリと音を立てた。
「私に…。俺に構うな。」
「…。」
「縛られるのは嫌いでね。」
ふっと笑う…。
「生憎命令には忠実なものですから。」
氷の双剣を出現させ構える。
「君とバンドーだけだよ…。この剣に手合わせしたのは。」
風が鳴り、大きく長い美しい彫りに柄にはエメラルドのよいな石が嵌め込まれている。
風の音を合図に加速する。
優雅に踊るようにそれは戦う。
人には見えない。
ただ光が揺れるようにみえるほどだろう。
間合いを取り距離を置いた瞬間。グラスの髪がはらりと落ちる。
長い美しい剣が降り下ろされる度に強力な疾風の刃が襲いかかる。
紙一重で避けていく。
踊るように流れるように。
剣舞のように…。
キラキラ輝いていた。
ならば、接近戦しかない。
懐に入り込み首元を狙う。
風も霧も晴れる…。
翡翠の瞳は見下ろす。
「気はすんだ?」
「やる気がなかったでしょう?」
「クスクス…。ばれたか。」
「いったい何が…。」
目の前に翡翠の瞳があった。手の甲に口づける。
「なっ?!」
ぐいっと抱きしめられ、浮遊する。
「ちょっと付き合って…。」
そのまま、風に乗る。
「…。」
「すねたの?」
「あり得ません!」
「美しい顔が台無しだよ。」
「それよりも…。後ろのあれはどちら様…。」
クルクルパーマの頭をかきながら
「うーん…。殺し屋?みたいな?」
みたいな?!どう見ても殺気むき出しで狙ってるのだからそうでしょう!
「暗部の者ではありませんね。」
「どうせ王族の誰かの差し金…。」
「王族?」
王族の所有物に手を出した?
「貴方殺されるわよ。」
「それは勘弁してほしいな…。」