ブラッククロス
今夜の闇の世界の月は大きい。
「面倒だな…。」
そうして広い草原の真ん中に降り立つ。
わざわざ見つけてくださいというように…。
胡散臭いバンパイアが立っていた。
「何者?」
「嬢ちゃんに用はない。」
牙をむき襲いかかる。
氷の双剣で弾き返した。
その時静かに声がした。
「グラス…。ここから出ないでいろよ。」
風の音。
風の球体に包まれた。
翡翠の瞳がオパール色に白濁し輝いていた。
「デートの邪魔はそれ相応に払って貰おうか。」
死の風が吹いていく。
壁も何もない。草原…。
空には雲もなく大きな月だけがひとつだけ。
疾風が襲いかかる。
あぁ…。これは…。
暗殺者の瞳をしていた…。
捕まったら逃げられない。
魅惑の瞳をしていた…。
草原には二つの影。
血色に染まる草。風に乗りながら何処かを見ていた。
「貴方は…。何者?」
翡翠の瞳が静かに微笑む。
「母から継いだ名前はジルウエット…。風を司るしがない風見鶏…。」
そして空を見上げながら一人で囁いた。
「だから縛られるのは嫌いでね…。」
ラファール…。貴方は王家の力を継いでいる。産まれ落ちたその日から貴方自身もわかっているでしょう…。
疾風のように力強い血が貴方の中には秘められている。
「そう…。いろいろな面倒を継いでいるんだ…。グラス…。」
手を差しのべた。
「このままデートしてよ。」
手を引き、ぐいっと引き上げる。
「空の散歩もいいけど…。」
氷の双剣が首に光る。
「貴方の監視が私の役目…。」
「クスクス…。じゃあしょうがない。そのまま監視をしてもらおう。」
そのまま上空を飛んでいく。
「私の話聞いてましたか?。」
城の湖スレスレに飛ぶ…。
「踊ろう…。」
「はっ?」
逃れようと冷気を出す。
風見鶏は楽しそうに風を流しながら優雅に踊るように飛ぶ…。
湖の表面が風と共に氷る。
「綺麗だね…。」
翡翠の瞳が見えた。
「鏡みたいだ…。」
「面倒だな…。」
そうして広い草原の真ん中に降り立つ。
わざわざ見つけてくださいというように…。
胡散臭いバンパイアが立っていた。
「何者?」
「嬢ちゃんに用はない。」
牙をむき襲いかかる。
氷の双剣で弾き返した。
その時静かに声がした。
「グラス…。ここから出ないでいろよ。」
風の音。
風の球体に包まれた。
翡翠の瞳がオパール色に白濁し輝いていた。
「デートの邪魔はそれ相応に払って貰おうか。」
死の風が吹いていく。
壁も何もない。草原…。
空には雲もなく大きな月だけがひとつだけ。
疾風が襲いかかる。
あぁ…。これは…。
暗殺者の瞳をしていた…。
捕まったら逃げられない。
魅惑の瞳をしていた…。
草原には二つの影。
血色に染まる草。風に乗りながら何処かを見ていた。
「貴方は…。何者?」
翡翠の瞳が静かに微笑む。
「母から継いだ名前はジルウエット…。風を司るしがない風見鶏…。」
そして空を見上げながら一人で囁いた。
「だから縛られるのは嫌いでね…。」
ラファール…。貴方は王家の力を継いでいる。産まれ落ちたその日から貴方自身もわかっているでしょう…。
疾風のように力強い血が貴方の中には秘められている。
「そう…。いろいろな面倒を継いでいるんだ…。グラス…。」
手を差しのべた。
「このままデートしてよ。」
手を引き、ぐいっと引き上げる。
「空の散歩もいいけど…。」
氷の双剣が首に光る。
「貴方の監視が私の役目…。」
「クスクス…。じゃあしょうがない。そのまま監視をしてもらおう。」
そのまま上空を飛んでいく。
「私の話聞いてましたか?。」
城の湖スレスレに飛ぶ…。
「踊ろう…。」
「はっ?」
逃れようと冷気を出す。
風見鶏は楽しそうに風を流しながら優雅に踊るように飛ぶ…。
湖の表面が風と共に氷る。
「綺麗だね…。」
翡翠の瞳が見えた。
「鏡みたいだ…。」