【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
焦る思いで電車に飛び込む。
たった2駅の距離が今日は遠く感じる。
電車に揺られながら考える事は不安な事ばかり。
昨日別れないと決めたはずなのに、そばにいない琥珀に不安は募る一方で。
鳴らない電話と琥珀の部屋の合鍵を握りしめ2駅先の琥珀の家を目指す。
どれくらいぶりだろうか・・・
この部屋を訪れたのは。
あの事件以来何となく避け続けていた気がする。
玄関から静まり返った部屋を見渡しながらあの日の光景が脳裏によみがえる。
琥珀が帰って来てなかったらどうなっていたのだろう?
もう過ぎ去った事なのに余計な事を考えては体が震える。
「ねぇいるの・・・?」
パンプスを脱ぎ、震える体を自分の腕で抱きしめながらベットルームへ急ぐ。
朝早いからまだ寝ている可能性もあった。
寝起きの悪い琥珀なら・・・
そんな期待さえもベットルームのドアを開けたとたんにあっけなく消え失せた。
琥珀が帰った痕跡はそこには存在しなかった。
今となっては翡翠の家の方が琥珀の痕跡に溢れているというのに・・・
薄れ行く琥珀の匂いを求め、ベットに倒れ込み琥珀の枕を抱きしめる翡翠がいた。