【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
「後で会社で・・・」
そんな当たり前の事ですら確認せずにはいられない。
「あぁ。」
ポツリと言った琥珀の一言ですら翡翠にとっては安定剤のような役割を果たす。
その言葉にすがるしかなかった。
そうでもしていないと、全て夢だったかのように琥珀が消えて幻になってしまいそうで離れるのが怖かった。
玄関で見送る琥珀に無理して微笑んで手を振った。
琥珀が扉を閉めるのが先か・・・
翡翠が歩き出すのが先か・・・
お互いが離れる事への不安を抱いているからこそ動けずにいた。
「行くね・・・後でね・・・」
「あぁ。」
翡翠は何度も何度も確認せずにはいられなかった。
出来る事なら琥珀のそばを離れたくはなかった。
上司で年上で・・・
そんな肩書きが翡翠を縛り付けて素直に琥珀に甘えられないでいた。