【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑

髪から落ちた雫が床を確実に濡らしていく。

 「翡翠、何してるんだ。ちゃんと拭かないと風邪ひくだろ。」

男は口にしていた煙草を灰皿に押し付けると慌てて翡翠に駆け寄った。
うつむく翡翠の濡れた髪をを優しく拭くと胸元に抱き寄せた。

懐かしい男の胸と懐かしい男の匂い。
顔を埋めると憎んだことも恨んだ事も忘れてしまいそうになる。

今、この時の男から聞こえる心臓の音と温もりで全て許してしまいそうになる。

馬鹿は私の方だ。


翡翠は顔を上げると男の顔に手を伸ばした。
見つめ合う男の瞳の中に自分を見つけて瞳を閉じた。

何年ぶりだろう。
重なった唇にkissに懐かしさが込み上げる。

濃厚に濃密に・・・
唇と唇を重ね、舌と舌を絡ませる。

離れていた時間が余計にふたりを淫らにする。
以前翡翠は部長に男とのことを一瞬でも忘れたくて抱かれていたのに…
今は・・・忘れてしまいたかった男に抱かれながら琥珀の事を忘れようとしていた。

悪循環。
それはどんなに強がってみても翡翠は男無しでは生きられない女だという事を証明しているようだった。
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