【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
男もまた翡翠との結婚を考えていた時期もあった。

そんな翡翠が妊娠していたなんて。
それもあの夜流産していたなんて。

この数年翡翠の事を忘れていたわけではなかった。
男が翡翠に告げた通り男にとって結婚も今の地位を手に入れるための道具だった。

そこに恋愛感情など存在してなかった。
言うならばあの夜も翡翠を捨てたあの瞬間までも翡翠に想いはあった。
それでも男は愛のない結婚を選んだ。

出世する度に、あの夜の翡翠の顔がちらついては罪悪感に襲われた。
そんな翡翠が目の前に現れた時には驚いた。

数年の年月を超えて重ね合った身体。
そばに置いておきたかった。

そして、男は地獄に落ちた。
これから一生忘れられないだろう。
あの夜の翡翠の顔も耳元で囁かれた声も。

罪悪感に襲われながら一生送ることになるのだから。
男と妻の間に子供が産れてもその子を見るたびに思い出すのだから。

顔を見る事すらなかった我が子の事を。

それが男にとっての地獄。
一生続くであろう地獄。



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