【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
どこかで翡翠は年下の琥珀よりもしっかりと強くあり続けなければと思っていた。
会社でも琥珀の上司である以上頼られる存在でいようと。
プライベートでもその考えは変わらなかった。
甘える事よりも甘えさせられる存在で頼るよりも頼られる存在で・・・
でも今目の前にいる琥珀は間違いなく男で翡翠なんかが敵うわけなどないのだ。
「ねぇ主任、関係ないってなんだよ。 説明してみろよ」
数センチの距離に琥珀の顔があって、荒い呼吸までも伝わってくる。
翡翠の身体は琥珀とドアの間に挟まれて、怒りをぶつけた琥珀の拳は殴った状態のままで翡翠の真横を通り玄関ドアまで真っ直ぐ伸びていた。
「私に聞かないでよ。 話しがあったのはそっちでしょ」
「その話を聞こうとしないのは主任だろ?」
琥珀の目は真剣だった。
その真剣さがいつもの琥珀とは違っていて翡翠は何も言えなくなった。
ただ琥珀から目をそらすことは出来なかった。