【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
―――5年後―――
「瑠璃走っちゃ危ない。」
「だってぇたーくんが公園で待ってるもん」
サラサラの栗色の髪を風になびかせ瑠璃と呼ばれる女の子が振り向き唇を尖らせていた。
「たー君はちゃんと待っててくれるからママと手繋いで行こう。」
女の子の小さな手は温かくやわらかい。
公園の入り口まで行くと大きな声が聞こえてくる。
「るりちゃ~ん。」
公園に着くと大きく手を振りながら砂場から駆け寄っていく男の子。
「た~くん」
女の子もまた母親の手を離して駆け出す。
男の子は女の子の手を取るとふたりは砂場に一直線に駆けていく。
目的は今幼稚園でも流行っているツルツルピカピカのお団子を作ることだ。
「今日もまた泥んこさんだね。」
そんな瑠璃を見ながら母親がぽつりと呟いた。
「宝城さんこっちこっち」
男の子の母親が木陰から手招きしながら女の子の母親を呼んでいる。
木漏れ日が心地よい午後のひと時。
翡翠は愛娘の瑠璃と公園で過ごすのが日課になっていた。