【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
部屋に着くと玄関にパンプスを脱ぎ捨て、鞄をその場に置くとベットへと倒れこむ。
そのまま目を閉じると頭の中を駆け巡る琥珀との情事。
一夜だけの過ちとして終わらせるには翡翠の身体に記憶に琥珀の存在は大きく刻まれていた。
琥珀の残影と体に残る感覚。
目を閉じたまま時間だけが過ぎていく。
部屋を赤く染めていた夕暮れは、闇へと姿を変える。
やっとの思いで起き上がり、照明のスイッチに手を伸ばす。
昨日から見ないようにしていた携帯を鞄から取り出すと着信を確かめる。
部長からの着信とメールは想像が出来た。
それよりも黙って帰ってきたことで琥珀から連絡が来ているかも・・・
そんな想いの方が強かった。
部長にすぐに折り返さないわけも琥珀には見抜かれているようで・・・
部長にとって自分は2番目だという事実を琥珀にも印象付けていた。
翡翠は部長に自分から電話などしない。
出来ないのだ。
どんなに部長からの不在着信があっても・・・
部長の立場・・・
家庭の事を考えて・・・
もちろんそれもある。
部長も琥珀も、不倫という関係がそうさせていると思っているだろう。
男にとってはいじらしく可愛く映っていることだろう。
けど実際は部長への執着心がそれほどないのだ。
好きなら愛しているなら声を聞きたい、会いたいという感情が勝って自分から連絡するはず。
だけど翡翠はそうはしない。
自分から会いたいなど口にしない。
部長が望むまま会って抱かれて・・・それが一番都合がいい女だと思っていた。