【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑

 「主任、何してんだよ」

琥珀は翡翠を自分の部屋に連れて行くと、翡翠の肩を両手で押さえつけ俯いたままの翡翠を問い詰める。


 「ごめんなさい。」

 「あんたらしくもないだろう・・・ あんなの。」

謝ることしかしない翡翠に苛立ちを感じ、翡翠から一歩離れると髪を掻き上げる。

琥珀自身も困惑していた。
初めて見せる翡翠の弱い部分に。

いつも自分の前にいて、強気で何にも一生懸命で・・・
強い女だと思っていた。


 「・・・・・私らしいって何? ねぇ私らしいって何なの? あんたの上司で弱いところなんて見せなくて、独りで平気みたいな顔をして・・・強情張りでつまらない女?」

 「誰もそんな事言ってないだろ?」

 「私だって・・・私だって誰かに支えられたくて、誰かに甘えたい時だってあるんだから。 私だって普通の女なのよ!!」

 「それが部長だって言いたいのかよ。それともさっきの男か? 」

 「・・・・・。」

 「主任には俺がいるだろ? 俺が主任のそばにいるから・・・」

翡翠は引き寄せられて、琥珀の力強い腕の中にいた。

このまま頷いてしまったら楽になれるのかもしれない。
揺れ動く心境。

でも素直に頷こうとする翡翠の脳裏にはあの過去が蘇る。

 「そんなの無理。」

思ってもいなかった翡翠の言葉に翡翠を抱きしめていた腕の力が弱まる。

 「主任??」

翡翠の表情を確かめたくて覗き込んだ琥珀を翡翠は突き飛ばす。











 
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