【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑

居心地の悪い空間から抜け出し、無言のまま男の後ろをついていく。


 「後で部長室へ」

男が呼ぶ理由は仕事の件ではないだろう。今回ばかりは昨日の事だと察しがついた。

翡翠にとっても部長室は都合がよかった。

部長の前では揺らぐことがあっても、部長室でなら・・・ 部長の娘の写真があるあの部屋でなら別れられそうな気がした。


それに、2人の関係が始まった場所でもあるのだから終わるのにふさわしい場所でもあった。


 「わかりました。」


後からその言葉に時間指定などなかった。

男は翡翠が来るのを待ち続けるだろう。
それが何時になっても。


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