【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
すがすがしい気持ちで満たされながら、翡翠は改めて仕事に打ち込み始めた。
男の事を変に意識することもなく・・・。
「主任、顧客管理の件で資料室までいいですか?」
デスクワークに追われる翡翠の右横に琥珀が立っていた。
琥珀の存在と守れなかった約束が翡翠の胸に棘を突き刺す。
「何かトラブル?」
焦る気持ちで前方を歩く琥珀の背中を追いかける。
資料室には1台のデスクにパソコンがあって、各エリアに設置されているパソコンよりより詳しい顧客情報を知りたいときに使用する。
周りを見渡せば数えきれないほどの資料が山積みになっている空間。
天井まである棚には年代別にお客様がどんな式を挙げたか一目でわかるように管理されている。
企画案に頭を抱えたとき翡翠はここに来て資料をめくる。
お客様の笑顔の記録が翡翠に新しいアイデアを思いつかせてくれる。
翡翠にとって資料室は宝の宝庫のような場所だった。
部屋に入るなりパソコンに向かう翡翠。
管理室のパソコンでしかわからない事となると顧客情報の中でも細かい部分の事になる。
「お客様のお名前は?」
「そんなのどうでもいいんだよ。」
振り返ると後ろ手でドアに鍵をかけ、冷たい視線を向ける琥珀が立っていた。