Love♡LDK
「僕は今日の午前に、早瀬翔子さんと言う方に伺ってきたんです。彼女はSweetLoveのマネージャーです」
「早瀬!?今日の収録現場にいないと思ったら、貴方の所にいたのね!?」
加賀谷の言葉を無視して、俺は話を始めた。
会ったのは、今日の11時頃。
SuperStarのマネに何とかSweetLoveのマネは誰なのか探してもらい、頼み込んでやっと話をする事が出来た。
カフェに2人向かい合わせに座った。
早瀬さんは20代後半ぐらいの女性だった。
左手の薬指に輝くモノもなかった。
「私はいつも・・・、社長とSweetLoveのメンバー達の争いを一番近くで見ていました」
ぼそぼそと話す早瀬さん。
どうやら、外部にバレないか不安らしい。
―――――実際、今バレるんだけどな。
「社長は毎回、“№1を取れ。お前達は俺の顔に泥を塗る気か”と仰っていました。それに対し玲華やメンバーは、“私達は私達なりに頑張ってる”と言いました・・・。その後カッとなった社長が玲華以外の頬を叩いたんです」
この話で気になったのは、加賀谷玲華以外のメンバーの頬を叩いといて自分の娘は決して殴ったりしない、と言う事。
やはり自分の娘は可愛いのだろうか。
一切触れなかったと、彼女は言った。
「玲華には、“お前はよく頑張ってるよ”と言ってました」
それって・・・差別だよな?
SweetLoveのメンバーだって人の子だ。
両親は、これをどう思うだろう?
「実際、収入や仕事量を比べると一番多いのは断然真菜で・・・。社長が酷く当たっていたのも真菜でした」
・・・子供だな。
自分が一番。
自分の娘が一番。
自分の会社が一番。
二番は嫌だ。
・・・運動会じゃねぇんだからなっ!
「怒った玲華はこう言いました。“今、№1のグループは悔しいけどRainbowだわ。だから、どんな汚い手を使ってでもアイツらを消して私達が№1になるのよ”と」
・・・加賀谷玲華も№1取る気満々じゃねぇか。
呆れて、一言も喋れなかった。
聞いてたら、ちゃんちゃら可笑しくて。
同時に、怒りもこみ上げて来て。
ようやく我慢して、俺は続きを聞いた。