Love♡LDK
(side隼斗)

満奈が落ちた・・・。

それを俺は受け止める事も出来ず。

「痛い・・・っ・・・」

泣いてる彼女を抱きよせる事も出来ず。

ただただ、その場に立っていた。

その時。

「よいせっ・・・っと。軽いね、満奈ちゃん」

太陽が、泣いてる満奈を抱きあげた。

そして空気の読めない一言。

悔しかった。

満奈の彼氏は俺。

それなのに、何も出来ないでいる。

俺・・・やっぱダメな男だな。

「赤坂くん、保健室までお願いできるかしら?」
「はい。任せてください」

満奈を抱きあげたまま、太陽は校舎に向かっていく。

騎馬戦は中止になった。

満奈と太陽を置いて、次の種目が始まろうとしている。

「隼斗くぅ~ん。頑張ってねぇ♡」

いくら応援されても、頑張る気にはなれなかった。

―――――ピーポーピーポー

救急車の音が聞こえる。

きっと、満奈を乗せて病院に行くんだろう。

走り去っていくソレを、俺はただ黙って見つめてた。

ボーっとしてたら。

―――――バシッ

誰かに肩を叩かれた。

「ちょっと、いい?」

振り向くとそこにはモデルのChisaがいた。

「何ですか?」

Chisaは怒ったような表情。

何なんだ・・・。

「満奈・・・、骨が折れたかもしれないよ」
「えっ?」
「保険医の先生が言ってた。あの腫れ方は尋常じゃないって」

嘘、だろ・・・?

骨折・・・?

なかなか素直に事実を受け入れる事が出来なかった。

「あの子、体育祭楽しみにしてたから・・・落ち込んでるかも」

知ってるよ。

カレンダーに印してたからな。

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