【短編】阿呆と馬鹿の関係
「中学ん時の先輩やねん」
「あ、そうなんだ」
中学の先輩と紹介された美人さんは、うんうんと頷いた。
「央太、可愛い彼女じゃん」
そんな言葉で舞い上がってしまう。
社交辞令だとはわかってるけど、可愛いなんて滅多に言われない上に、こんな美人さんに言われると、余計に嬉しいじゃない?
それに照れて笑う柚木の反応も素直に嬉しかったり。
「央太~、彼女に阿呆とか言ってないでしょうね?」
「言ってへんよー」
柚木ったら、先輩にまで阿呆って言ってたの?
本当、どうしようもない奴なんだから。
「コイツ、すぐ阿呆って言うでしょー?」
「言いますねー」
笑って聞く先輩に、あたしも笑って返す。
「あ、ほら~。彼女も言ってるじゃん。
約束守ってないんじゃない」
「違うって。おい、瀬名、今は言ってへんって言ってぇやー」
約束?
慌てた様子を見せた柚木は、あたしの方へと振り返り困った顔を見せた。
そんな柚木の頭をポンッと叩いた先輩。
ねぇ、先輩と柚木の約束ってなあに?