【短編】阿呆と馬鹿の関係
そう思った時は、ゲームセンターから出ていた。
こんな時って、走って外に出るもんじゃないんだね。
ゆっくり、静かに外に出て行ける自分に驚いてしまった。
別に、あのままあそこに居たって良かったのかもしれない。
先輩が帰ってから、後でたっぷり文句を言ってやればよかった。
あたしの前で、昔の彼女と仲良くすんな、バカ!
ってキレてもいいはずだよね。
だけど、バカ。って簡単に言えないんだもん。
あたしは、こんなにバカ。って言葉を言わないでいるのに。
何で柚木の阿呆は先輩との約束なの?
意味わかんない。
有り得ない。
信じらんない。
振り返っても柚木は追いかけて来てくれない。
外に出たものの、すぐに柚木が来てくれるって思ってた。
『何で先出て行くねん、阿呆』
そんな言葉を言いながら。
だけど、来てくれないよ。
何で?
あたしと居るより、先輩と居る方が楽しいのかな。
ヤバ。
まじで泣きそうなんだけど。
ここで、元の場所へも戻れない。
サッサッと帰る事も出来ない。
あたしは何て中途半端なんだろうね。