【短編】阿呆と馬鹿の関係
どれくらいココに居ただろう。
気づけば、日は落ちていて。
体は足先まで冷え切ってしまっていた。
柚木の後姿を追いかけれなかった、あたし。
何で追いかけれなかったのかなんて、わかってる。
上手く付き合えないから。
だから別れよう。そう言われたって仕方なかったのかもしれない。
時間の問題だったのかもしれない。
そう思うからだ。
友達の時は上手くいってた。
毎日、口喧嘩ばっかりだったけどそれなりに楽しかった。
だけど、付き合ってからはドキドキしっぱなしで。
言いたい事も上手く言えなくて。
手だって繋ぐのに一苦労。
デートってなったら躊躇して。
それなのに“央太”。
そう名前で呼ぶ事に嫉妬する。
何も言わないあたしを見て、柚木がわかるはずなんてない。
だけどね?
哀しかったんだ。
阿呆って言わないのが先輩との約束だった事が。
だって、それはあたしだけの特別じゃないでしょう。