【短編】阿呆と馬鹿の関係
「何してんねん」
俯くあたしの頭上から聞こえた声に顔をあげ、驚いた。
だって、そこには何時間も前に帰った柚木が立っていたんだもん。
何で。
何で、ココに居るの?
見上げる柚木は、怒った顔であたしを見下ろしていた。
「お前、本間にこのままでえぇん?」
そんなわけないじゃん。
絡んだ視線を、何度か瞬きをしながら逸らした。
柚木の目が怒ってて、恐かったから。
「てか、何か言(ゆ)ってや……」
え?
さっきまでの怒った口調とは違う、少し情けない声。
もう一度、柚木の顔を見ると、拗ねた表情であたしを見つめ、そのままその場に座り込んでしまった。
「ゆ、ずき?」
見上げていた柚木を、今度は見下ろす。
しゃがみ込んで下を向いた柚木は、顔をあげてくれない。
「ね。ど、どうしたの?」
聞き返しても何も答えてくれない。