【短編】阿呆と馬鹿の関係
「柚木?」
「お前、さっきの先輩との会話にヤキモチ妬いたん?」
「え、あーうん」
「そっか。そうか。へぇ~。そうなんや」
「ん? 柚木?」
俯いたまま、ワントーンあがった声に首を傾げた。
「俺と手繋ぐの恥ずかしかっただけ?」
「あ、うん」
「俺とデートすんのも恥ずかしかっただけ?」
「うん」
「俺がアホって言へんのも嫌やったん?」
「うん」
「さっき怒ってたんも、ヤキモチ?」
「うん。ってさっき言ったよね?」
んんん?
何だか柚木の声、嬉しそうじゃない?
そう思い、腰から曲げて柚木の顔を覗き込むとニヤニヤと笑っている。
はぁ!?
「何、笑ってんの!? ……ヒャッ」
捕まれた両手を退けようとしたら、突然柚木に抱きしめられた。
「ちょっ、ななな、何してんのバカ!」
離れようとしても、離してくれなくて。
胸はバクバクだし、全身が熱いし。
「俺さ、嫌われたんかと思った」
耳元で呟やかれた言葉に、動きを止めた。