バカモンのスゝメ【短編】
少しでも予備校に到着するのを遅くしようと、無駄な抵抗ながらチンタラ自転車を漕いでいたら生倉の袴の裾がチェーンに絡まりそのままコケた。
「いってー!だからこの隊の制服ヤなんだよ。今ドキはやりじゃねーって。だろ?」
コケた生倉にあわせて自転車を止めた辻霧に同意を求めるように振り向くと辻霧は何やら難しい顔をしていた。
「どした辻霧?」
「これはお告げだ。神が今日は予備校サボれと申しておる」
辻霧の顔は真面目さを装ってはいるが目だけはユルんでいた。
要するに「今日はもうサボっちゃおうぜ」というお誘いである。
素早くそれを察した生倉も話にノッた。
「然り然り。これは神のお告げに違いあり申さん。今日の我らにとって予備校は鬼門。凶事から距離をとるのが真の君子であり申そう」
誰が見ている訳でもないのに二人は真面目な顔で百パーセント言い訳の小芝居をした。
「いってー!だからこの隊の制服ヤなんだよ。今ドキはやりじゃねーって。だろ?」
コケた生倉にあわせて自転車を止めた辻霧に同意を求めるように振り向くと辻霧は何やら難しい顔をしていた。
「どした辻霧?」
「これはお告げだ。神が今日は予備校サボれと申しておる」
辻霧の顔は真面目さを装ってはいるが目だけはユルんでいた。
要するに「今日はもうサボっちゃおうぜ」というお誘いである。
素早くそれを察した生倉も話にノッた。
「然り然り。これは神のお告げに違いあり申さん。今日の我らにとって予備校は鬼門。凶事から距離をとるのが真の君子であり申そう」
誰が見ている訳でもないのに二人は真面目な顔で百パーセント言い訳の小芝居をした。