キミがいなくなるその日まで
『何を聞いたか知らないけど、どうしてそれを知ってマイが落ち込むの?』
…………は?なにそれ。
遠回しに私には関係ないって言ってるの?
こんな感情久しぶりだ。フツフツと湧いてくる怒りに私は体が震えた。
『私だってこんな気持ちになりたくてなってるんじゃないっ!』
思わずシンに怒鳴ってしまった。
ここに来る前の私はこんなに泣いたり怒ったりしなかった。
自分なんて全然大切じゃなくて自分以外の人間はもっと大切じゃない。だから、
“誰とも関わりたくないなんてそんなのおかしいよ”
そうシンに言われた時ものすごく腹が立った。
『こんな風にしたのはシンだよ。私の知らなかった感情を、何もかも無関心だった私を変えたのはシンじゃない』
本当はこんな事言いたくないのに。
シンを責めたくはないのに。
『それでもマイが落ち込むのはおかしいよ』
その一言で何かがプツンと切れてしまった。
『もう、いい。話したくない』
私はそう言って病室を出て行こうとしたけど、
何故かシンに腕を掴まれてしまった。
『なに、離して』
シンの顔を見る事なく、私は冷たく言い放った。
『ちょっと落ち着いて』
なにそれ、この状況で落ち着けって?私にはシンが何を考えてるか分からない。
分からないよ。
『いいから離して!私はもうあんたと話したくない…………』
───その瞬間、グイッと腕を引っ張られふわりとシンの匂いがした。
気付くと私達の唇は重なり合いお互いの鼓動が聞こえてくる。