大好きな君へ言いたいこと。
【優輝side】

あー。
蒼空と嶺一緒に帰るんだよなぁ…

チクショウ!
部活さえなければ…


いつの間にか走ってグラウンド来てたし…

まぁ、しょうがないけどさ。

「優輝ー!」

誰かがこっちに駆けてきた。

「来るの早いなぁ。」

そう言いながらソイツはさっき俺が蹴っていたボールをとる。

「別にいいじゃねぇかよ、拓海!って、ボールとるなー!」

拓海は追いかけてくる優輝を交わしながら、ボール蹴っていく。

「あ。」

そう言って行きなり拓海が止まった。

「へ?」

あ、止まれねー!

バタッ

痛ってぇ…。

「プッ」
「笑うな!」

くっそー…
痛いし、恥ずかしいしなんなんだよ。

「そういえば、優輝。」

拓海が話をふってきた。

「ん?なに」
「嶺今日、部活来ないらしいよ。」

ぁあ。それか…。

「知ってるよ。」

知ってるも何も、あいつが一緒に帰る相手もよ…。

「あと、嶺と蒼空が肩組んでたよ。」
「え!?」

まぢかよ。

「ほんとだよ。あの二人付き合ってるの?」

拓海が座る。

「付き合ってない。多分…」

ゴールにボールを蹴る。
が、ポストに当たって跳ね返ってきた。

「あ。蒼空だ!」

拓海が見ている方を瞬間的に向いてしまった。

そこには、
楽しそうに笑う蒼空がいた。

「拓海。練習しようぜ。」

ボールを再び蹴る。
次は、ゴールにボールが吸い込まれるように入った。


チクショウ…
嶺のやつ、
俺がやりたかったことやってやがるし!

ふざけんな!


「あのさ、気になってたんだけど。」

拓海が俺にパスを送りながら聞いてくる。

「なに?」

俺は、無愛想に返した。

「優輝って蒼空の事好きなの?」
「え…」

考えてもいなかった。

確かに
昔は好きだった。

でも、嘘だって嘘ついて…
フラれた。

だから、俺は諦めたんだ。


「蒼空が好きなの?」

今、俺は…

蒼空の事が……



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