龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】

穏やかな冬の日々が続いた。


十二月の中旬になると、裏庭の龍たちは――美月の話によると――岩場の洞窟で冬眠に入ったらしく、姿を見かけなくなった。

圭吾さんは、最近、ものすごく忙しい。

神社で冬至の儀式があるとかで、その準備らしい。
遅くまで外出してばかり。今日も外で食事を済ませると連絡があった。

わたしは、夜、一人で圭吾さんの広い部屋にいるのが嫌で、二階の自分の部屋にいることにした。


そろそろ家に帰る支度もしておかなきゃ

今、やっちゃおうかな

圭吾さんの目の前でやったら嫌がりそうだから


わたしはクローゼットから旅行かばんを取り出した。


えーと、七泊でしょ……

家に残して来た衣類もあるから、三日分くらい詰めればいいか

どうせ洗濯もするし


クローゼットから下着とソックスを出して、ジーンズと一緒にかばんに入れる。


ここに来てから買ってもらったオシャレな服を一着――シワになりずらいのってどれだろう?

冬休みの課題は、お隣りのなっちゃんに教えてもらおうかな

そういえば、親父はお節料理をどうするつもりかな?

ま、いいか。最悪、コンビニがあるもの

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