龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「志鶴? 入るよ」


圭吾さんの声とノックの音がして、わたしは飛び上がった。


「ちょっと待って!」


急いでクローゼットのドアを閉めて、旅行かばんをベッドの下に蹴り込む。

息を整えてドアを開けると、圭吾さんが立っていた。


「お帰りなさい」

わたしは入口に立ったまま言った。


「ただいま。こっちにいたんだね」

「うん、一人だと部屋が広くて寂しいから」


圭吾さんはネクタイをちょっと緩めて、伺うようにわたしの顔を見た。


「中に入れてくれないの?」


う……入れないのも変だよね


「どうぞ」


わたしは数歩下がって圭吾さんを通した。

圭吾さんが部屋に入って後ろ手にドアを閉める。


「で、隠し事は何?」


あちゃー


「えーと……隠し事ってほどでは……」

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